『キャベツの芯がやわらかくなるまで』

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第8回

キャンプ場にキャンプ中の一家がいた。
鍋でカレーを作っている。

「人間は、文明社会にいるとストレスがたまってしまうからね~。
こうやってキャンプすることで、自分の感覚と自然界の繋がりを再確認するのさ~。
だから、キャンプにあまり文明的な物を持ち込むのは邪道だね~。」

父親が語る。

「カレールゥは偉大よね~。
適当に具を煮てルゥを入れれば、そこそこ本格的な料理になっちゃうんだから~。」

母親が語る。

「キャンプはあれこれ手伝わされて、面倒。」

子どもがぼやく。

「ところでそこの君、何かカレーに放り込めるようなもの持ってないかしら?」

「キャベツの芯。」

「おっけ~、それ頂戴。」

キャベツの芯を適当に切って鍋に放り込む。

ちなみに、肉は鶏のもも肉。

「鶏のぶつ切りとかもオススメだけど、今回は残念ながら手に入らなかったのよね~。」

そしてカレーができあがった。いただく。

キャベツの芯の味は、可もなく不可もなく、普通。
芝居がかった一家はお世辞を込めて、絶賛してくれた。

カレー自体は、風景も味の一部になる分、家で食べるよりはずっとおいしく感じる。

ごちそうになったお礼を述べて、キャンプ場を後にした。

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