『キャベツの芯がやわらかくなるまで』

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第5回

サバンナにダチョウがいた。

「みなさん、鳥は飛ぶものと思っておいででしょうが、」

ダチョウが不満顔で話し始める。

「鳥とは元来、はるか恐竜と呼ばれた先祖の頃から、地面を走る生き物なのです。
気候変動で、たまたまほとんど飛べるものしか生き残らなかったために、鳥と言えば飛ぶものみたいな話になってしまっていますが、私達のように地面を走る鳥こそが、元祖・鳥なのです。
だから、『ダチョウって飛べないんだって。鳥なのに変わってるね。』などと言われるのは、はなはだ心外なのであります。」

相当不満がたまっていたようだ。

「そうですか。」

「そうなのです。そのことだけ、ご承知いただきたく思います。」

「了解しました。ところで、キャベツの芯が余ってしまったのですが、どうしたらいいでしょう?」

芯を見せる。

「どれどれ…あ、切ってもらえます?」

薄く切ってあげると、食べた。

「まあ…お腹すいてれば食べますが、あえて食べたいほどのものではありませんね。
あまりお役に立てませんで。」

「いえいえ。参考になりました。」

サバンナを後にした。

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