『キャベツの芯がやわらかくなるまで』

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第3回

山里に養豚農家がいた。

「豚は、家畜化されて長いこと人と似たようなものを食べ続けてきたせいか、意外と人に近い動物なんですよ。」

養豚農家が語る。

「なのに世の中では、たびたび『豚』という言葉が悪口として使われます。
悪口の内容というのは、往々にして自分が言われたくないことであったりするのですが、そのような悪口は、豚に似た自分達をもおとしめる行為であると、人々に気付いて欲しいのです。」

切なる願い。

「ところで、そちらにお持ちのものは?」

「これは、家庭料理研究家に刻んでもらったキャベツの芯です。どのように生かそうかと、思案しているところです。」

「ふむ…では、豚のエサに混ぜてみましょうか。
世の中には、焼酎かすを豚のエサに混ぜて成功している養豚家もいますからね。
だいたいのものは食べてくれます。」

豚舎へ。

刻んだキャベツの芯をエサに混ぜ、豚達に与える。

いい食い付き。

「なかなか良い食べっぷりですね。キャベツには消化酵素が含まれていますから、きっと豚の健康にもいいでしょう。」

キャベツの芯は豚さん達に好評を博し、おみやげにソーセージをもらって、山里を後にした。

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