『キャベツの芯がやわらかくなるまで』

→第2回

第1回

目の前に、キャベツの芯がある。

葉の部分はあらかた食べてしまった。

どうしよう。

。。

旅に出た。

小さな漁港。

あさり漁師が、あさりを引きあげていた。

「最近は、ツメタガイによる食害が少しずつ増えていましてね。」

頭を悩ませているようだ。

「多くの干潟が埋め立てられて、あさりが採れる海の豊かさも減っています。」

一見、豊かな海なのに。

「ところで、ここにキャベツの芯があるのですが、どうしていいか分からないのです。」

「ほう、キャベツの芯ですか。では、あさりの酒蒸しに入れてみましょう。」

フライパンにあさりを入れ、酒を加え、フタをして火にかける。

あさりが開いたら、適当にスライスしたキャベツの芯を加えてまたフタをする。

しんなりする。

食べてみた。

あさりの旨味との相性も良く、悪くなかった。

潮の香りする漁港を後にした。

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